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(CIR/クチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ2021年12月号)

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 CIR(クチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ)12月号発売しました。 12月号のテーマは、もちろんクリスマス。 今までいろんなクリスマス料理を取り上げてきましたが、今年のテーマは、地方料理のクリスマス料理の名物料理。イタリア全20州の代表的なクリスマス料理を、詳細な背景と共に解説する、興味高い話題が満載の記事です。 そもそもクリスマスは、家族全員が揃って、一年で一番のご馳走を食べる日。 普段の料理をご馳走にするテクニックが満載です。しかも、伝統を尊重するのがイタリア式。 その料理の背景には、地元の人しか知らない、もちろん日本人には知る由もない歴史やエピソードが隠れているのです。 例えば、その1例、最初の料理は、ピエモンテ料理でミラノ人にクリスマス料理として強烈に愛されている“インサラータ・ルッサ”。直訳すれば“ロシアンサラダ”ですが、(CIR/P.2によると)、ミラノのペックではこの時期には2.5トンのインサラータ・ルッサが売れるそうです。ミラノ人、どんだけポテトサラダが好きなんだと思いましたが、そもそもロシアでもこのサラダは大人気だそうです。 ロシア料理を紹介してるこの動画によると、 ロシアにはクリスマスはない、といきなりショッキングな発言。そもそも宗教が違うんだった~。ロシアではインサラータ・ルッサは“アリヴィエ・サラート”とか言うらしい。ロシア語は分からないので違ってたらごめんなさい。この料理を考え出したモスクワのレストランのオーナーシェフの名前だそうで。 突然思い出してきました。はるか昔、ベネチアに行く途中で飛行機がモスクワで飛ばなくなり、乗客たちは1泊することになって、バスで強制収容所みたいなところに運ばれました。そこで出された料理がこのポテトサラダでしたよ! その時は、モスクワの寒々した監獄みたいな雰囲気で、言葉も通じず、この冷たい料理を食べて泣きたくなったものです。でも、ロシアでは人気のサラダでおもてなししてくれていたんですね。何十年もたって、ようやくその気遣いに気が付きました。う、泣けてくる。 さて、そもそもとても庶民的なポテトサラダをクリスマスのご馳走にする方法とは・・・。 野菜の小角切りをマヨネーズであえるというシンプルなものを、あなたならどうしますか。そこにはイタリア人の美的センスが発揮されていました。ランプフィッシュの卵を加えたので...