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(CIR)クチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ2022年10月号

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 (CIR2022年10月号)まもなく発売です。 10月の料理は、“アルトゥージの料理にインスパイアされた家庭料理”。 アルトゥージは各地の伝統に基づいたイタリア家庭料理の創始者、として広く愛されています。イタリア家庭料理のベースが、1891年に自費出版した『la scienza in cucina e l'arte de mangiar bene』というイタリア最初の家庭料理の本。イタリア人によって書かれた旬の食材がベースのシンプルなイタリア料理の本で、初版以来10版を重ね、翻訳されて世界中で出版されています。 カーサ・アルトゥージは彼の研究成果を広く知らしめるカルチャーセンターで、会議などによって彼のやり方を知ることができる場所。イタリアの伝統料理のスペチャリタや家庭料理を学びながらプロの料理人としての可能性や情熱を確立させることができる研究機関。地元の伝統や食材を学びながら、地元の価値を高める方法を知ることができます。 アルトゥージのリチェッタには個人的なコメントによる物語のような趣があり、リチェッタには475から790番までの番号がついています。 イタリア家庭料理の父、ペッレグリーノ・アルトゥージ。 彼の本の料理を知ることは、イタリア家庭料理の基礎の基礎を知ることに他ならないのです。 記事にもある通り、この本は彼をかなりの有名人にしましたが、彼は有名になりたくてこの本を書いたのではなく、本が好きだったから本を書いたのです。 朝8時に起床して夕食まで座っていました。夕食の後は再び本にとりかかります。ペンと鍋の生活だったのでした。 リェッタはすべて実際に調理し、彼が信頼していたのはアシスタントの料理人と2匹の猫だけでした。この猫に、彼は最初の本を捧げています。 料理は全て味見しましたが、時には失敗することもありました。 キッチンは彼にとって勉強の場で、友は少ないけれども彼らは親友で、夕食の招待は時々受ける。読書が大好きで、死ぬときは、ヴェルギリウスの叙事詩、『アエネイス』を読んでいたいと語るほどでした。 カーサ・アルトゥージ アルトゥージのリチェッタは、まさにイタリアの家庭料理の基本。アルトゥージの何番、と言えば、どの料理か分かる人には分かる、というものですが、彼の本は、料理書とは思えないような、彼独特の言い回しの個人的なコメントも特徴。それがこの本を読...

(CIR)クチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ2022年9月号

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 (CIR)クチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ2022年9月号、発売しました。 念のためですが、今は2025年の1月です。 現在販売しているのは9月号。 すごいタイムラグがあるのですが、今年はこのラグが少しは縮められるようにか頑張ります。 さて、9月号の『クチーナ・イタリアーナ』のリチェッタは、外国出身のシェフが作るイタリア料理。 登場するのは、ピエモンテのイタリア系メキシコ人、インドとミラノでイタリア料理店を経営するシェフ、イタリア在住の『クチーナ・イタリアーナ』誌の編集にも携わるベルギー人、イタリア人の母とガーナ人の父を持つ多国籍レストランのシェフと、生まれて初めてディープなインド料理やメキシコ料理を訳しました。多国籍もここまでくると、大変です。食材やスパイスはほとんど意味不明なものばかり。元々、アラブやスペインなど外国の影響を取り入れるのが得意なイタリア料理でも、今時は、南米やアフリカ系の人たちが活躍して、より多国籍になっていると、改めて認識しました。 外国人とイタリア料理。 パスタは生のスーゴの夏のパスタ。 冷たいパスタには、冷やした麺が冷めたいパスタだけじゃなく、生のスーゴのパスタ、ソースが冷たいという概念もありました。 生のトマトのスーゴのスパゲッティ。夏向きパスタだけど、夏って今1月ですよ、と思ったあなた、大丈夫、夏ははまたやってくるから。来年の夏向きなんです。 今月の地方料理、まずは“チケッティcichetti” もちろんベネチア料理。 下の動画では、チケッティをベネチアのストリートフードと紹介してますが、(CIR9月号)の記事P.19では、ベネチアのフィンガーフードと言ってます。 次のリチェッタは、『サーレ・エ・ぺぺ』の連載記事から、“田舎の農家の夏の終わりのホームパーティーP.26~” イタリアの農家の素朴なもてなしは、丹精に耕した菜園の野菜と、庭を走り回る雌鶏の卵をたっぷり使う素朴なもの。 キーワードはオルトとアイアorto e aia/菜園と前庭。イタリア人の理想の田舎暮らしに欠かせないもの。 次の地方料理は“うさぎ肉のアグロドルチェ煮”。シチリアの典型的な味、甘さと酸っぱさの組み合わせ。 うさぎ肉のアグロドルチェ煮。 次はトロペア風フィレイヤ。カラブリアの名物料理です。 トロペアの赤玉ねぎはカラブリアの名物食材ですが、もう一つのン...